家族の病気


妻の病気(1)

ある日の会社の帰り、駅から自分の家に向かって歩き出してロータリーを出ないうちに突然携帯がなった。電話の主は婚約した彼女(現在の妻)でした。今日おなかが痛いとのことにより病院に行きCTを撮ったら、卵巣が肥大化しているとのこと。悪性か良性かはCTの結果を検査して結論を出すとのことでした。本人は動揺していましたが、自分としてはあまりも突然で何を言ったらよいか分かりませんでした。後日検査の結果が出た。悪性である可能性が高いとのことであった。結婚前だったので実家のある福岡で手術をすることになった。住んでる近くの病院の方がいいのではないかといったのですが、自分と同じ頑固者なので・・・。これが後に負担になっていきます。

福岡に向かう一日前の会社帰りに、目黒の結婚式場に向かい、担当の方にこちらの事情を簡単にご説明し式の延期の話して、改めて日取りも決めました。その後、二人でご飯食べて(その日は口数が少なくなったことを覚えています)電車で彼女の最寄りの送りました。その駅に電車が到着し、挨拶して彼女が電車から降りていった。そのまま彼女はこちらを振り向かずにホームの階段に向かってまっすぐに歩いていった。また元気な姿が見えるのか、彼女のだんだん遠くなる背中を見つめながら切ない思いになった。そのうち彼女の背中が人混みに隠れて見えなくなってしまった。

福岡に行った後も電話で状況を教えてくれた。手術の日程が決まらない状態が続き、しびれを切らした彼女とお母さんは直接病院に向かった。そしたら、入院の日も決まったと言っていた。国立病院でも結構いい加減で、大丈夫なのかちょっと心配になった。しかし、最近のガンは治ると自分自身に言い聞かせて、少なくとも彼女より落ち着いていなければならないと思った。

ついに手術の当日になった。自分は東京で手術の無事を祈った。かなり時間がかかったそうであるが、肥大化した卵巣腫瘍の全摘出した(大きさは子供の頭くらいだったそうです)。でも片一方が残っているので、まだ妊娠は可能であると聞かされました。
お母さんからこういった話を電話で聞き、とりあえずほっとした。しかし問題の腫瘍はガンであった。

それから予定通り週末にお見舞いに福岡に向かった。最初にあったときは、とても痛そうな顔をしていた。こちらが結果的におもしろい話をしてしまい、彼女は泣きながら笑っていた。笑うと相当おなかが痛いらしい。最初は個室の病室であったが、そのうち6人部屋に移った。個室の方がいいと自分は思っていたが、みんながお見舞いから帰ってしまうと寂しいらしい。

それから1〜2週間後、手術の際に腫瘍共にリンパ節と何かを取ったが、それらの組織の検査を行った結果、ガンの転移は無かった(最も安全なステージ1決定!)と聞かされた。これでガンと言えども直った可能性が高いと思った(いろいろ勉強しました)。念のため抗がん剤を投与するという選択肢があったが、転移が見つかっていないことと更に入院期間が長くなるので今回は投与を見送り退院した。退院しても月に1回診察や検査が必要とのことで、5年間再発が見つからなければ、直ったと見なせるとのことであった。ということは、少なくとも5年間福岡の病院に通い続ける必要があります。今住んでいる近くの病院に変更することも出来るのですが、医者との信頼関係があるらしく変えたくないみたいです。それと、実家にも帰ることが出来るのも理由かもしれません。この話をすると本人の機嫌が悪くなるので言いません。

それから更に実家で静養し、無事に戻ってきた。戻ってきてから延期になっていた二人の生活を始めるため、約2ヶ月後に新居に引っ越しをした。退院から数ヶ月後に無事に結婚式を迎えることが出来た。結婚式の司会の方に「ご両親への言葉は?」と聞かれて、「孫の顔を見せたい」と言ったところ、普通言わないからかちょっと変な顔をしていたが、こちらの実状は分からないので仕方ないと思った。




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